前回の記事でDE10-nanoを使用するための開発ソフトとプロジェクトファイルの準備を行いました。今回の記事はQuick Start Guideの内容に沿ってDE10-nanoの動作確認をしたいと思います。
DE10-nanoのModeスイッチ
まず電源を投入する前にDE10-nanoのModeスイッチを確認します。Quick Start Guideによると、Modeスイッチは01010に設定します。注意点としてはModeスイッチのON=回路上では0になります。Modeスイッチは6bit分ありますが、6番目のスイッチは回路図上では何も接続されていないのでそのままで問題ありません。
Modeスイッチは以下の設定ごとに動作を行います。数字はModeスイッチに印字されている1~5(MSEL0~MSEL4)の順に記載しています。
- ON, OFF, ON, ON, OFF :基板上のROMに保存されたデータでFPGAを起動します(ASモード)
- ON, OFF, ON, OFF, ON :SDカードに保存されたファイルからHPS経由でFPGAを起動します(like LXDE Desktop (default))
- ON, ON, ON, ON, ON :SDカードに保存されたファイルからHPS経由でFPGAを起動します
FPGA内のARMコアを動かしたいときはSDカード経由でのFPGA起動、ARMコアを使用しない場合は基板上のROMに保存されたデータからFPGA起動という風に理解しています。(間違っていたら訂正します)
Quick Start Guideの内容では2番目のMode設定で起動することになっていますのでひとまずは2番目の設定にして動作確認を進めます。LXDE Desktopについてはあまり詳しくないので追々調べてみることにします。
DE10-nanoの起動
Quick Start GuideにあるようにModeスイッチをON, OFF, ON, OFF, ONに設定します。先ほど記載したようにこのモードはSDカード経由の起動になります。DE10-nanoには購入時からSDカードが挿入されており、あらかじめFPGAのファイルが保存されているようです。
付属のACアダプタをDE10-nanoのジャックに接続して、電源を投入します。電源を投入すると3.3Vと印字された青色LEDが点灯し、次にCONF_Dと印字された橙色LEDが点灯、最後にUSERLEDと印字された緑色LEDが鼓動のように点滅します。Quick Start GuideによるとUSERLEDが鼓動のように点滅すると、Linux OSがブートしているとの事なので、DE10-nanoの起動は問題無さそうです。

パソコンとの接続
DE10-nanoの起動を確認したら、パソコンと接続します。DE10-nanoには3つのUSBコネクタがありますが、今回接続するのはUSB-microBです。
今回は使用しませんが、他の2つのUSBコネクタはFPGA書き換え用、UART通信用に使用できるようです。次回以降の記事は、FPGA書き換え用のUSBコネクタを利用していくことになると思います。
USB-microBをパソコンと接続すると、USBメモリを接続したように表示されます。Quick Start GuideではStart.htmlを開くように記載されていますので、指示通りにStart.htmlを開きます。

ブラウザでStart.htmlの内容が表示されます。内容としては、USB経由のEthernet接続でパソコンとDE10-nanoを接続するという内容になっています。
USB経由でEthernet接続できるようにStart.htmlの内容に沿ってパソコンの設定をします。
デバイスマネージャーを開き、RNDISにWarningがあれば、ドライバの更新をします。ドライバはDE10-nanoに保存されたファイルを読み込むようです。


残念ながらインストールに失敗。

Webで検索するドライバー署名の問題ということなので回避策がterasicのホームページに記載されていたため変更を試してみました。ところが、設定変更を進めるなかでWindows11 HomeのOSを使用しているにも関わらず、なぜか対応していないはずのBitLocker回復キーが求められてしまい、それ以上先に進めず一旦ドライバーのインストールを断念しました。
余談ですが、著者は過去にBitLockerでパソコンが起動できずデータ消失という痛い目にあっていたので、今回BitLockerの回復キー入力画面が出たときに悪夢が蘇りました。今回は一度再起動したら正常にパソコンが起動したので事なきを得ましたが、Windows11 HomeのOSでBit Lockerが有効化されるようになっていたのでしょうか。
次回の内容
今回はQuick Start Guideの内容は一旦断念しましたが、DE10-nanoの起動は問題なく出来そうなことが確認できたので、次回はQuartusを使って独自の論理回路でFPGAを動かしていきたいと思います。
今回の記事がこれからDE10-nanoを使おうとしている方々の参考になれば幸いです。BitLocker恐ろしい。。。
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